分室日記

雲の上は いつも晴れています

年金制度改革の議論が始まったけれど

10月くらいから年金制度改革の議論が始まりました。

私は40年近く前に「社会保障論」というゼミで年金や健康保険について勉強しました。当時でも、どうシュミレーションしてみてもこのままでは年金制度は立ちいかなくなるという結果しか出ませんでした。個人的には、言葉だけは美しいのだが、実は負担の先送りにしかならない「世代間扶養」の要素を減らし、「自分の分は自分で積み立てる」部分を増やさないと辻褄会うわけないよなと思っていました。

その後、急速な高齢化やバブル崩壊後の景気悪化でどうにもならなくなって、2004年に小泉純一郎政権下で実施されたのが、かの悪名高き「100年安心」年金。発表された翌週には、その前提となる人口動態の最新値が発表されて安心の根拠が崩れ去りました。この旗振り役となったのが御用学者から大臣に成り上がった竹中平蔵氏でした。

都合の良い架空のデータを使ってありえない安心をうたって、10年以上にわたる保険料値上げと、給付水準の切り下げを始めた挙句に10年もたずに崩壊。賢いはずの官僚の頭脳が、政治屋や御用学者の決めた結論にあった筋書きを作るのに浪費されているんだなあと思いました。

今回も担当者や実務者の英知を結集して、国民によりわかりにくく、負担増と給付減を包み隠した改革が行われるのでしょうか。